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「私の事知ってるの?」
「知ってるも何も有名人じゃん。
首席で入学したクールビューティーってね。」
「……。」
「私は四宮 透子、よろしくね!」
日本人形のような和美人の彼女は、見た目と違って明るくハキハキしている。
まるで失われた昔の自分を見ているようで、どうしてか正直羨ましくなった。
「絆創膏だらけだね…。」
私は自分の自己紹介は不要だと思い、何となく話題を変える。
彼女は気分を害したわけでもなく、私のその言葉に屈託なく笑うと、肘と膝の絆創膏をジャーンと得意気に見せてきた。
「青春を満喫してる証拠!」
私は思わずブハッと笑ってしまった。
彼女の性格は本当に可愛らしかった。
「私たち友達になれそうじゃない?」
一緒になってクスクスと笑う彼女。
「そうだね。私四宮さんの性格好きだわ。」
「じゃあ苗字だと堅苦しいから透子って呼んで。私は愛って呼ぶからさ。」
「うん!」
高校生になって初めて友達ができた。
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