252人が本棚に入れています
本棚に追加
うわ…、
体育祭から数日後の事。
私は宇佐美先生を初めて自分の視界に入れた。
きっちりとした細身のスーツにメタルフレームのメガネ。
そしてなぜか七三に整えられた髪。
宇佐美先生は想像以上に堅物だった。
透子との保健室でのトークを思い返すと、何だか笑えてくる程に真面目でそれに見合った外見。
私は数学の授業にそれ程興味を持った事がなかったけど、これをきっかけに宇佐美先生に興味を持ち、彼独特の授業にどっぷりハマっていった。
それは翔ちゃん以外では初めての事だった。
「ねえ透子、宇佐美先生ってよく見るとイケメンじゃない?」
高校2年、進級して透子と同じクラスになった私は、透子にだけは本音トーク。
「そう?私にはただの真面目メガネにしか見えないけど。」
「えー、よく見てみてよ。ホントにイケメンなんだから。
メガネと髪型に騙されちゃダメだよ。」
「うーん…。
もしかしたら愛の言ってる通りなのかもしれないけど、私は兄を見慣れてるせいか何とも…。」
.
最初のコメントを投稿しよう!