【1】美しき片想い

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うわ…、 体育祭から数日後の事。 私は宇佐美先生を初めて自分の視界に入れた。 きっちりとした細身のスーツにメタルフレームのメガネ。 そしてなぜか七三に整えられた髪。 宇佐美先生は想像以上に堅物だった。 透子との保健室でのトークを思い返すと、何だか笑えてくる程に真面目でそれに見合った外見。 私は数学の授業にそれ程興味を持った事がなかったけど、これをきっかけに宇佐美先生に興味を持ち、彼独特の授業にどっぷりハマっていった。 それは翔ちゃん以外では初めての事だった。 「ねえ透子、宇佐美先生ってよく見るとイケメンじゃない?」 高校2年、進級して透子と同じクラスになった私は、透子にだけは本音トーク。 「そう?私にはただの真面目メガネにしか見えないけど。」 「えー、よく見てみてよ。ホントにイケメンなんだから。 メガネと髪型に騙されちゃダメだよ。」 「うーん…。 もしかしたら愛の言ってる通りなのかもしれないけど、私は兄を見慣れてるせいか何とも…。」 .
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