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私の漲る自信が崩れ落ちる。
「どうして…?
私一年前より成長したよ…?」
「うん、成長したね。愛は生徒会長として頑張って来たよ。」
「じゃあどこがダメなの?」
「経験値。」
「経験値?」
「そ、男の経験値。だって愛ってまだ処女でしょ?」
「……。」
考えた事もなかった。
付き合うのは絶対翔ちゃんじゃなきゃ嫌だったし、私の初めてももちろん翔ちゃんじゃなきゃ…。
そもそもそんな考え自体がお子様なの?
「と、透子はもう経験してるの…?」
私は恐々聞いた。
「フフ…、内緒。」
透子は意味ありげに微笑むと、シーッと人差し指を口に当てて私を見た。
ザワザワと胸が騒ぐ。
翔ちゃんが高校生にしてきた事。
私が小学生だった頃に味わった不快感。嫌悪感。
それが大人になる為には必要だって事?
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