【1】美しき片想い

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わからない…。 透子と話した後、私はずっとずっと考えていた。 春休みの間ずっと。 生徒会の仕事で春休みも生徒会室にこもりっ切りで、何かと忙しかったけど、頭の片隅にはいつも自分の経験の低さ、というよりかは未経験という不安材料が転がっていた。 「経験値…か。」 「は?何?」 「あ…、今私声に出してた?」 「思いっ切り。」 「うわ…、ごめん。聞かなかった事にして。」 呆れ顔の相沢くんを前に、私はペコペコと頭を下げる。 「意外…、会長でも悩みなんかあるんだ。」 「……。」 生徒会室で副会長である相沢くんと二人きり。 「経験値って何の経験値?」 「だから聞かなかった事にしてって…、」 「俺が経験させてあげよっか?」 「……。」 どういう状況なんだかわからないうちに、チャンスが目の前に転がって来た。 .
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