252人が本棚に入れています
本棚に追加
「じょ、冗談…!」
「冗談なんかじゃないよ。俺会長の事…、」
「ごめん…、冗談にしておいて…。」
私はニコッと笑って髪を耳にかける。
動揺しているのを隠す為の手段だったけど、相沢くんには効果的だった。
「会長はいつもクールだな…。」
不機嫌そうに生徒会室から出て行く彼の背中を見ながら、私は小さく息を付く。
翔ちゃんが私を見てもそう感じるのかな?
「感じないよ…。」
だって翔ちゃんはずっと大人だから。
私は帰り支度をして生徒会室の鍵を閉めると、職員室へと鍵を返却しに向かう。
桜の蕾が綻び始めた今日この頃。
「百瀬先生は現代社会の担当でしたよね?」
「はい。」
「うわー、僕と同じですよ。弱ったなー。
女子生徒に差別されそうで怖いな…。」
「何言ってるんですか。
僕の方こそ上手くやれるか緊張しっ放しですし怖いですよ…。」
「まあそうだよね。新人の時は僕も緊張してたなー。あー懐かしい。」
どういう訳か、私の目の前に翔ちゃんがいる。
スーツを着て廊下を歩いていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!