【1】美しき片想い

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「じょ、冗談…!」 「冗談なんかじゃないよ。俺会長の事…、」 「ごめん…、冗談にしておいて…。」 私はニコッと笑って髪を耳にかける。 動揺しているのを隠す為の手段だったけど、相沢くんには効果的だった。 「会長はいつもクールだな…。」 不機嫌そうに生徒会室から出て行く彼の背中を見ながら、私は小さく息を付く。 翔ちゃんが私を見てもそう感じるのかな? 「感じないよ…。」 だって翔ちゃんはずっと大人だから。 私は帰り支度をして生徒会室の鍵を閉めると、職員室へと鍵を返却しに向かう。 桜の蕾が綻び始めた今日この頃。 「百瀬先生は現代社会の担当でしたよね?」 「はい。」 「うわー、僕と同じですよ。弱ったなー。 女子生徒に差別されそうで怖いな…。」 「何言ってるんですか。 僕の方こそ上手くやれるか緊張しっ放しですし怖いですよ…。」 「まあそうだよね。新人の時は僕も緊張してたなー。あー懐かしい。」 どういう訳か、私の目の前に翔ちゃんがいる。 スーツを着て廊下を歩いていた。 .
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