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そしてその後の私はと言えば、家に帰って早速母を問いただした。
「ちょっとお母さん…、
翔ちゃんがうちの学校の先生になるって知ってたでしょ!」
「え?あらやだ…、もうバレちゃったの?
翔太郎くんに口止めされてたんだけど…。」
やっぱり…。
「何が口止めよ、そんなのすぐにバレるに決まってるじゃない!
そもそも百瀬家とうちは大の仲良しのくせに、詳しく知らないとか言っちゃって、もうそこから胡散臭いのよ!」
翔ちゃんの目論見が手に取るようにわかった。
翔ちゃんは学校で私をあっと言わせたいんだ。
驚く私を見て余裕ぶって笑いたいんだ。
妹をからかう兄の気分で、この4年間を何もなかったかのように自然に。
そうはさせない…。
「ねえお母さん…、
私が知っちゃった事内緒にしといてね。
絶対翔ちゃんには言わないでね。」
「わかったわよ。
でも愛が生徒会長だって事は言っちゃったわよ。」
「それぐらいならいい…。」
私の部屋の閉じられたままのカーテン。
4年ぶりの私を見て驚くのは翔ちゃんなんだから!
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