【1】美しき片想い

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だからそんな事があっての翌々日の入学式、私は張り切って鏡の前に居座っていた。 生徒会長である私は、在校生代表の祝辞の挨拶を新入生に贈る。 その為のスピーチを何度も読み返したし、スカートはクリーニングから戻って来たし、いつもより念入り且つ丁寧にスカーフを結んだ。 キリリとセーラー服に身を包んだ私は、学校以外で翔ちゃんに会わないように早々にバスに乗り込んだ。 ドキドキと胸が弾む。 私を見た翔ちゃんの顔が楽しみだった。 初々しい新入生が体育館に着席し、いよいよ入学式が始まる。 翔ちゃんは黒のスーツに身を包み、静かに教諭席に腰を下ろしていた。 私はその姿を心の中でカッコイイとほくそ笑み、全く気付く様子がない翔ちゃんに満足していた。 「祝辞の言葉。在校生代表、一 愛(にのまえ あい)。」 「はい!」 いよいよだった。 私はピシッと姿勢良く壇上へと上がっていく。 .
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