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何さ何さ何さ!
「もういいっ!!翔ちゃんなんか大嫌い!!」
私は持っていたサッカーボールを翔ちゃん目掛けて投げ付けると、そのまま家へと猛ダッシュ。
翔ちゃんは持ち前の運動神経でボールを軽々キャッチ。
小学生の投げるボールなんかものともせず、何事も無かったかのように飄々としていた。
いつもそう。
私との約束は二の次三の次。
翔ちゃんは私を妹のように可愛がってくれるけど、絶対に女としては見てくれない。
翔ちゃんと私は5歳差で、それが無性に悲しくて堪らないんだ。
だから翔ちゃんの後ろにいる可愛らしい彼女が憎らしくて、長い髪が揺れるその大人っぽい容姿が堪らなく狡く感じる。
私だって翔ちゃんと同い年で生まれたかった。
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