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だけどその願いも虚しく、私が中学2年生になる直前、翔ちゃんが私の前からいなくなった。
『イヤだイヤだイヤだ!!』
『駄々こねない!
愛の為に直直帰って来るからさ。』
『ホントに?絶対?』
『じゃあ指切りしよっか。』
大学生になった翔ちゃんは、大学近くのアパートで一人暮らしを始めてしまった。
子供っぽく駄々をこねた事は反省してるけど、翔ちゃんは約束なんか忘れてしまったかのように全然帰って来ない。
嘘つき!
翔ちゃんが帰って来ないなら私の方から会いに行く!!
中学2年生の夏休みだった。
私は思い切って翔ちゃんのアパートを訪ねた。
だけど翔ちゃんはアパートにはいなくて、
「どちらさま?」
代わりに出て来たのは綺麗な女の人だった。
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