33人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんの因果なんだかね・・・」
「?」
叶美の瞳はどこか遠くを見ているようだった
「ここの部屋は・・・一番上の子の部屋なの」
「・・・一番って、あづなちゃんじゃなく」
「えぇ・・・事故でね、歩道に突っ込んできた車から小さい子を守るために・・・
その子は守れたけど・・・ね
まぁそれでこの部屋は片付けられずにいるのよ、そんなとこからアナタが出てきたってのも何かの運命を感じるわね」
「そ、そうだったんだべか
立派な人だったんだな」
「自慢の娘よ!」
鼻高々な叶美
・・・なんの因果か、サムリはこの部屋から出てきた
それは何かあるのかもしれない
この一家を襲う不幸から救い出す・・・なんて大それた事かもしれない
無理だ、無理だけど、この御恩に報いたい
そう思うサムリであった
最初のコメントを投稿しよう!