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№2
父さんへ
家の中では常に自分本位で、気に食わないことがあれば、声を荒げ、時には手を上げて来た貴方。
それは母が病魔におかされていた時ですら変わりませんでしたね。
自分のことですら思うようにいかなくなった母への暴言。
祖父母が残した財産を、母の治療費には使わず、自分の趣味につぎ込んだこと。
一生許さないと母の死に誓いました。
あれから十三年。
私が嫁にも行かず、家から出なかったのは何故か。
外面がよく、周囲には「いい父親」で通っていた貴方に、「家の居心地がよすぎるからだ」と周囲は言っていましたが、それは間違いです。
周りの人間が一人、また一人と亡くなっていき、貴方も重い病で寝たきりになった今。
頼みの綱である私すらも、この世から消えれば、貴方は絶望に打ちひしがれることでしょう。
それが私の復讐です。
残りの人生。
たった一人。
孤独の中で、生きる事。
それが貴方に課せられた罰です。
どうか。
どうか長生きをしてください。
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