デジャ・ヴ

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昨日、ボクは、 デジャ・ヴと「水の街」へ出かける約束をして眠ったのだ。 ベッドから起き上がったボクは、目をこすりながら、 彼女がこう言ったことを意識した。 「でも、 この星ではめずらしい色の瞳。 大きなロットで巻いたような、 染めているわけじゃないのだけれど、 若い子もうらやむような黒髪。 鼻のかたちはすっとしていて高いほうなのかも。 人間らしさの通う口もとは、 慎みがあって張りのある肌と声とはとても無理をせずに。 その指先の爪の色はまるで亜熱帯地方の海の底にある珊瑚たちの色」 聞いた時、こそばゆいようで、 ためらいのようで、なんだか宙ぶらりんの感じだったけれど。
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