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夜明けまえの透き通るような空気の中、
白樺の木でつくられているボクの家の横をはしるアスファルトの道は、
水色に輝く地平線の先までまっすぐに延びている。
まるでダイヤモンドを敷きつめたようにある。
空に渡し船が漕ぎわたっている夜は、
星ぼしが駆けぬけていって、
その明かりはとてもやわらかに、
雲の泳ぎを照らしだしている。
うしろから静かに風の通りすぎるのをボクたちは感じるままだ。
流れた星が気をひくようにひとつ輝くと、
自身をけずった塵たちを残しては、
それが放物線のかたちをしめして落ちてゆく。
この地上の重力がゆっくりとそれらを獲得したからだ。
そのあとを、
また流れ星が追った。
そのあとにもまた。
まるで仲の良い友人のように。
それらがひとつの焦点に向かって消えたのを、
ボクたちは確認する。
ボクは嬉しかった。
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