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「一・二・三、ゆけ!」
とアリ塚が、
通りの良い声で叫ぶと、
途端に足もとにあった星たちが、
上空に跳ね上がって、
まっすぐに通っている道のうえに、
整然と青白い光のまっすぐな二列となって、ボクらのこれから進む道を浮かびがらせた。
誰にも判らないうちに、
ボクらにも知らせないままで、
もうアリ塚は目覚を覚ませていた。
「ほら、
黄金の太陽がのぼったよ。
アリ塚の勝ちだ」
そう言った精霊は、
深かった夜が夜闇の幕を跳ねのけるように励ました。
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