デジャ・ヴ

8/48
前へ
/48ページ
次へ
「一・二・三、ゆけ!」 とアリ塚が、 通りの良い声で叫ぶと、 途端に足もとにあった星たちが、 上空に跳ね上がって、 まっすぐに通っている道のうえに、 整然と青白い光のまっすぐな二列となって、ボクらのこれから進む道を浮かびがらせた。 誰にも判らないうちに、 ボクらにも知らせないままで、 もうアリ塚は目覚を覚ませていた。 「ほら、 黄金の太陽がのぼったよ。 アリ塚の勝ちだ」 そう言った精霊は、 深かった夜が夜闇の幕を跳ねのけるように励ました。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加