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なのに、君は必ず僕を誘い、僕と一緒に居てくれた。
部活があろうがなかろうが、休みであろうがなかろうが、君は必ず、僕の傍に居たんだ。
そんな君が「俺、彼女出来た」と惚けた様で告げてきた。
僕の心臓が止まった……。
「──そうか、よかったなぁ」
なんて口にして、僕は力なく笑い、君は一瞬強張った顔をしたような気がする。
……気が、しただけだ。
君に彼女が出来ても僕達の仲は変わらないでいた。
君との時間が少し減っただけで、寂しさなんて感じなかった。
君が変わらないから
「彼女とは、いいのか?」
なんて何度かこっちが心配したくらいだ。
君は空を仰いで
「……やっぱ、お前といる方がいいや」
と彼女と別れた事を何気に伝えてきた。
それからも君は何人かと付き合っては別れていた。
何故だろう……ほんの少し寂しく、ほんの少し嬉しかったんだ。
だって、君は必ず僕の傍に居たから。
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