時の彼方へ

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私たちは走る。 はあはあという声と生い茂る草を掻き分ける足音… そして━━━ しっかりと繋いだ手。 「もうすぐだっ!奈緒、頑張れ!!」 「うん!」 あと2分… 2分しかない 草原の先の空気がモヤモヤと蠢いていた。 「見えた!!あそこだ!!」 モヤモヤが渦を巻くように吸い込まれていく。 破れた緞帳のようにも見える裂け目はちょうど人が通れそうな幅と高さがあり、その縁が青白く輝いていてなんとも異様な雰囲気を醸し出している。
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