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「連中が悪いんだ。気にするな…だけど…動けねぇな。」
「…うん…」
彼に肩を貸してどうにか立ち上がる。
でも道に戻るには斜面を登らなければならない。
「助けを呼んで来ようか?」
「ダメだ。この辺りは日本軍の基地が近い。住民を巻き込めないよ。」
「でも…」
「何とか…行ける所まで行こう。」
研ちゃんに杖となる枝を渡して私たちが苦労して道に戻った頃には、既に暗くなり始めていた。
暫く行くと農作業の小屋を見つけた。
誰もいないことを確認して、私たちはそこで夜を明かすことにした。
研ちゃんは痛みに耐えている。
私は一晩中近くの川でタオルを濡らして足首を冷やす作業を繰り返した。
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