時の彼方へ

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裂け目の中は漆黒の闇。 すきま風のようなヒューヒューという音が聴こえていた。 直前まで行って一度止まる。 私たちは肩で息をしながら目線を合わせた。 「…良い?」 「…ドキドキする…ホントに行けるかな…」 「絶対に離さないから!僕を信じて?」 彼がロープを二人の腰に巻き付けて固く結びながら聞いてくる。 私は頷いた。 彼と一緒なら怖くない。 彼が私の手をギュッと握る。 「行くよ?」 『せーのっ!!』 私たちは空間に足を踏み入れた━━━
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