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「ならば、その正義で何人の人を救ってきた?」
犯人は唐突に予期すらしなかった質問をぶつける。犯人はさっきまでの笑い声もなくただ僕の中を覗き込むように目を見つめた。僕が今まで救ってきた数……それは残念ながら今回が初めての事件のため正確には分からない。だけど……
「少なくとも、お前が捕まることによって今後お前に盗まれるであろう美術品を守れた」
僕が胸を張って言うと、それを嘲笑うように犯人は笑い始めた。それに対して怒りがこみ上げてくるが先輩がこちらに首を横に振り落ち着かせる。
「何がおかしいんだ?」
僕が落ち着いた口調で言うと、犯人は再びその冷たい視線をこちらに向けてきた。そして、また再び争いごとしか生まない厄介な口を開けた。
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