彼女はいつも、夢の中で

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僕は強く打った二の腕を隠すように身を逸らした。
ついでに顔も。

彼女の事だけ、僕は直視することができず、いつのまにか癖になっていたから身体が勝手に反応した。

眼鏡など、落ちた拍子でいつもの定位置に無かったのにも気付かずに。

カシャッ

嫌な音が耳に入った。

「……あ、ごめん、なさい」

彼女が更に申し訳なさそうに謝る。

落ちた眼鏡を、弾けて離れた彼女が踏んでフレームがいびつに曲がりレンズも割れた。

視力が悪い僕は、眼鏡が無い状況で家に帰る事もままならないというのに。