鰻ターン②〈彌砂〉

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翌朝。 直接脳内に語りかける魔女からの手厚いモーニングコール? により目覚めた私は、用意されたスーツ(やはり2択)に着替え、スマホとかいう文明の利器を持ち、職場へと向かった。 幸い部屋から目的地までは徒歩10分で助かった。 まだ生えたばかりのこの足を、思い通りに動かせないのだ。 『 なんだそのへっぴり腰! ふざけてんのか!』 「大真面目だ! あ、もしかしてアレ?」 視界に“モトミヤ総合設計(株)”と書かれた看板が見えた。 スマホの画面に映し出された地図アプリには、目的地周辺と表示されている。 『そうだ。既に私の有り余る魔力で新入社員として登録してあるから安心しろ。名前も勝手に決めたから覚えな』 「名前……」 私の胸は高鳴った。 今まで名前なんてものを、つけられたことがなかったからだ。 『宇名田 真希。うなだ まき、だぞ。』 「おお……可愛いじゃないっすか! 魔女グッジョブ!」 蒲子だの、うな子とかいう名前を予想していたから心底安心した。 そんな名前だったら魔女を末代まで呪うところだ。……呪い返されそうだが。 『ふふん、そうだろうそうだろう。では、行くがよい!』 「アイアイサー!」
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