鰻ターン②〈彌砂〉

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安心する。 「顔色が悪いですね……ちょっと女子ロッカーで休ませて来ますね」 「ああ、ついでに宇名田さんのロッカーと制服も案内してやって。頼んだで」 「はい、お水飲む?」 1つ下の階にある女子ロッカーへ連れてこられると、そこにある長椅子へ座らされた。 「ありがとう……」 水の入った紙コップを受け取ると、一気に飲み干した。 「わかりますよ。緊張しますよね。私も最初の挨拶はガチガチに固まって……ふふふ。思い出すと恥ずかしいです」 ふふふ、と笑う日向さんから私は目が離せなかった。 なんという柔らかさ。 そして、いい匂いがする。大事な事なので2回言う。 「でも師匠……松野部長も言った通り、パイプライン部はいい人ばかりですよ」 日向さんが言うならそうなのだろう。 何故かこの人の事は信用できた。 実に不思議な人だ。 「……取って食われたり……しない?」 私の言葉に日向さんは一瞬、ポカンとしてから「しないですよ。ふふふ……宇名田さん美人さんですもんね。不安になるのはわかります」と、ふわふわと笑った。 ふふふ、ウフフ、と意味もなく微笑みあっていると、日向さんが唐突に叫んだ。 「あーー!」 ビクッ! と身体を強ばらせた私は、日向さんを凝視した。     
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