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「だから、スッピンで髪もそんな感じなんですね! なるほどー!」
右の拳を左の掌にポン! として、うんうんと頷いている。
「いや、これは面倒で」
「なるほど、なるほどー!」
「いや、だから面……」
「綺麗にしたら大変なことになっちゃいますもんね!」
「……はい……」
どうやら、日向さんは思い込みが激しい人のようだ。
「あ、それとですね。実はもう1人部員がいるんですよ。籍があるだけなんですけどね」
「あ、そーなんすか?」
「本宮 瞭さんって言ったら分かっちゃいますよね?」
私の頭の中には疑問符が飛び交った。
「モトミヤ……って事は、この会社の御曹司、とか?」
「そうなんです! よく分かりましたね? すごーい!」
凄いんだろうか?
社名と同じだから適当に言っただけなんだけど。
「“オレオマ戦隊ウカレンジャー”、見てますか? 見てますよね? 社会現象ですもんね、ウカンタ!」
オレオマ……?
ウカンタ……?
ヤバイ。全然わかんない。
「これ! このウカンタキーホルダー、マッチョバージョンは今プレミアついてるんですよー!」
そう言って自分のロッカーの鍵についている浅黒い肌の筋肉マッチョを愛おしそうに頬擦りした。
バージョンというからには他にも色んなウカンタがいるのだろう。
……未知だ。
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