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「もう最終回はきっと号泣します! バスタオル持って待機します! って脱線しましたね。本宮さんはグリーン役で大活躍でしたよね」
「へー」
「あ! もしかしてミサ派ですか? 私はダメなんです……あの人なんだか怖くて……ってまた脱線しましたね」
日向さんは、咳払いをひとつしてから私へ向き直った。
「とにかく、本宮さんは俳優業が本業なので、こちらに顔を出すことはないんですけどね。私も入社3年になりますが、まだ1度も生で見たことないんです。何が言いたいかといいますと……もしも、彼が現れても決して騒がないでください。芸能人でもここへくれば一社員ですので。と、言う事を私も入社時に同じ部署の清美先輩から言われました」
なるほど。
この会社の御曹司は有名人で、さらにウカンタはそれを凌ぐ人気、ということか?
「大丈夫っす! 私には心に決めている人がいるので!」
例え、その本宮さんがお金持ちでイケメン俳優だろうと、私の王子様に敵うはずがない。
「そうなのですね!? 安心しました。具合はどうですか?」
「あ、もう大丈夫!」
日向さんの優しい雰囲気に癒されていたのか、気づけば身体の震えは止まっていた。
「良かった。じゃあロッカーは私の隣で、制服はこれを。着替えたら部署に戻ってくださいね。お仕事教えるので」
「了解であります!」
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