鰻ターン②〈彌砂〉

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「ふふ、宇名田さんって美人なのに面白いですね。では、私は先に戻ります」 私は手渡された制服へ着替えると、言われた通りに部署へ戻った。 制服は、ブラウスにベスト、タイトスカートというものだった。 スカートは今まで避けてきたのに、ここへ来て履くことになるとは。 非常に動きづらい。 しかもタイトスカートだから、余計にだ。 人間の女の人は動きづらくないのだろうか。 「お、もう大丈夫なんか?」 私を見つけると、松野部長が心配そうに声をかけてきた。 「はい。大丈夫っす」 「ははは! なんで体育会系なん自分。ほな、自己紹介したってな」 再び視線を集める。 「宇名田 真希っす。わからないことだらけなんで色々教えてください」 そう言って頭をぺこりと下げると、パチパチと全員が拍手をしてくれた。 よくわからないが、なんだか嬉しい気持ちがうなぎ登りだ。 「ほな、“ウマキ”やな。今日からよろしく!」 ウマキ……? なるほど。宇名田 真希だから、略してウマキか。 「松野部長、それじゃ鰻を卵で巻いたやつじゃないですか」 「!?」 なんてことを言うのだ! またドキドキしてきたじゃないか! 落ち着けよ たかがあだ名だ 食われない (ウマキ心の俳句。) 「あだ名で呼んだ方が早く溶け込めるやろ?」     
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