鰻ターン②〈彌砂〉

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しかも、すべてが同じ量で入れられていた。 「ブラボー!」 私が覚えたての拍手をすると、日っちゃんは苦笑した。 「いえ、拍手して頂くほどのものでは……でも、ありがとうございます」 そして、可愛らしく頬を染めた。 いい匂いがする。 「では、次はコピーを。これを5部コピーして1箇所ホドメでお願いします」 「ホドメ?」 「あ、すみません。ホチキスで止める事です」 数分後、紙の端がバラバラのままホチキス止めされたものが、5部出来上がった。 「えっと。コピーされたばかりだと、静電気で紙がくっついちゃうので、こう……パラパラとしてからトントンして揃えるといいですよ?」 と、丁寧に教えてくれた。 日っちゃんがやり直してくれた書類は、それは綺麗に揃えられていた。 だが、こんなにも優しく丁寧に教えてくれるというのに、私がまともに出来たことは、ひとつもなかった。 「つ、疲れた……」 お昼の休憩時間、私と日っちゃんは社食に来ていた。 お腹が空いた。 海老や小魚をたらふく食べたい…… のに、そんなものはなかったので、仕方なく“本日のお魚定食”なるものを選んでみた。 周りを見ると、これを食べているのは男性ばかりだ。 「初日だもんね。ウマキちゃんはお仕事するの初めて?」     
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