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月光に奴の刄が煌めく。
「そこかっ! 」
ダガーを放てば案の定、飛び退いた気配。
── 決めてやる!
背に隠した抜き身の剣で瞬時に奴の着地点を薙ぎ払った。
が手応えが無い。見誤ったか。
気配は……後ろ!
剣の遠心力を殺さず真後ろまで振り抜き、身体を回転させながらすくい上げる。
!!
微かな手応え。
だが、せいぜい髪の先数ミリを落とした程度だろう。逃したか?
「くっくっくっ」
闇に紛れ、密かな笑い声が……。
── 何処だ。 何処にいる ミサ!!
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