手紙

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 手紙を通して私と言う存在をもっとアピールしたかったのかもしれない。  本当はもっと手紙に書きたかった。 だって私は貴方が私のことを知っているように、私も同じ位……いえ、もっと貴方の事を知っているのだから。  あなたが私の部屋へ仕掛けをしているように、私も同じような仕掛けをして見ていることが癒し。  何度か跡をつけた時、電車に乗っているあなたの真後ろギリギリまで迫った時の興奮感。 会社帰りの貴方の行動、学校帰りの私の行動。 二人が同じ事をしているなんて夢にも思わないでしょう?  この興奮感を教えてくれたのは貴方。  最初は怖かったけど、段々貴方の気持ちが知りたくて同じ行動をするようになった。 それに気づかない貴方と私は、ある意味で一心同体なのかもしれないと何度思ったことか……  
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