元彼との対決

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 紀人はともかく、他の三人は狩りの気分でゲームとして恋愛とSEXを楽しむ事しか考えてない。レイプが恋愛ゲームのゴールであり、女性もそれなりに楽しんでいると勝手に思い込んでいる。 「坂本都組って学生が来たでしょ?」  受付の女性に紀人が聞き、その後ろで永井と山口と松嶋が笑みを浮かべながら、眼鏡をかけた年上の女性を嫌らしい目付きで眺めた。  個室を出た私とジオスは、逃げるでもなく話しながら通路を歩き、上階へ向かうエスカレーターに乗った。 「どうするの?ゲイと知って、私の心は泥沼だよ」 「教材として考えてみないか?その方が吹っ切れるかもしれない」 「反省なんか嫌だよ。すでに一度死んでるんだぞ」 「反省も後悔も必要はない。過去の恋を勉強してから奴らを叩きのめし、地獄を見せてやるってのもありだと思うぜ」  ジオスはあの死顔の写真が私の祖母と知り、ある種の運命を感じたようだ。 『天使への転職を考えた事と、ツグミの死を回避させた事が一致する』 『代わりに、俺が助けに来たのか?』  ジオスはそう思って、横にいる都組を見下ろして微笑んだ。
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