元彼の懺悔

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「じゃー、なぜだ。なぜ、あんな酷い事したのよ。私、自殺したんだよ。レイプされた事よりも、紀人が仕組んでお金貰ってたのが許せなかった。もし死神が存在するなら、紀人なんてすぐに殺して地獄に送ってと頼んだでしょうね」  ツグミの剣幕にジオスが自分を指差して「俺?」と苦笑いしている。  私は内心、ジオスったらと少し恋心を抱き、クールなのに時折見せるとぼけた感じを微笑ましく思ったが、今は心の奥底に押し込めて紀人を罵倒した。 「キスしたよね。ゲイのくせに」  感情に任せて酷い言い方をしたが、あの時、何で優しく最後まで抱いてくれなかったのかと、悲しい夜を心の中に映し出したのを想い出す。 「紀人なんて、死ねばいい。私の中の君の記憶を全部消して欲しい」 「そ、そりゃそうだと思うよ……」  紀人は顔を背けて涙を流しながら告白した。それは懺悔かもしれないが、死神とハーフ&ハーフの私の前で話しても意味はないだろうね。 「正直、普通に女性に恋をして、SEXもしたかった。ツグミだったらできると思ったけど、やっぱり体が拒否してしまうんだよね。今更だけど、恋みたいな感情はあったんだと思う。それでまた落ち込んだよ。だって、俺だって脅かされてたからさ。アイツらに……」
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