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魔女の介入
「えっ?」
私もジオスもその後の言葉が気になったが、それを遮るようにノックがしてサングラスの女性が入って来た。
エレガントなつば広の帽子と赤と黒のロングワンピースをひらひらさせて私の方をチラッと鋭い目付きで睨むと、真っ直ぐにジオスへ歩み寄り立ち止まった。
「まさか、見えるの?」
私がそう呟いて、紀人がぽかーんとした顔でその女性を見ていたが、仲間の三人がドアの前に現れて表情が変わった。
涙を拭って一瞬で乾かし、嫌味ったらしい険悪な顔付きに戻っている。
「なんだよ。遅かったじゃねーか。つーか、あんた誰?」
紀人は椅子から立ち上がって、その女性を警戒しながら壁側へ後退している。仲間の手前強がっているが、まだ恐怖を感じているのは見え見えだった。
「ツグミ、こいつはロザンヌだ。それで何しに来た?」
「何よ。せっかくいい知らせ持って来てあげたのに、そんな言い方はないでしょ」
ジオスがロザンヌと紹介した女性は明らかにジオスが見えて、人間にも見える存在だった。もしかして、私と同じくハーフ&ハーフなのだろうか?
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