死神の武器マニア

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「大袈裟な武器は死神アピールか?」  ジオスが斧を持つ死神にそう言って批判した。明らかにこっちも知り合いのような口振りである。  ホラー級の斧で三人を切りつけたように見えたが、手加減したのか寿命じゃないから死なないのか? 「なんだったら、これでその女を始末してやってもいいんだぜ。期限はズドロから聞いただろ?」 「もしかしてズドロって、あのコウモリ男の名前ですか?」 「この武器マニアはカザンだ。死神が天職らしい」  ジオスはそう言って私の横でカザンを睨み、戦いの赤いオーラを醸し出している。  魔女のロザンヌは三人の人間を追い出してドアを閉めると、ジオスをなだめるように説明した。 「私は断ったんだけどね。父がボディガードだってうるさくて」 「あの〜、なんか話が混沌としてるんですけど」  私がそう言って、紀人の方をチラッと見て苦笑いした。一番困惑しているのは君の方だね。何しろ私と魔女の言葉だけは聴こえて、仲間の三人は追い出されてしまったんだからさ。
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