第一章・就活

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「一つだけ資格が必要だと、アカデミーの審査員が俺に漏らした事がある。自分の作品を評価してくれた重鎮のアドバイスと受け取った」 「なに資格って?」 「愛の真実を知る事。それこそが天使に必要なライセンスなんだ」 「なるほどね。真実の愛ではなく、愛の真実を解明するってことね?」 私は暫し考えてみた。 もう、ベッドから起き出してホットココアを飲んでいる。 部屋は狭いが田舎の稼業が木工所なので家具だけは木の匂いのするシックなテーブルと椅子を使っていた。 ジオスはそこで白い息を吐いてブラックコーヒーを飲んでいた。まるで白夜のような世界観をインテリアに吹き込んでいる。 「私、電子ポット並みに熱くなって恋するタイプなの。自殺する時にも思ったんだけど。なんでこんな簡単に人を好きになるのかなって?」 「愛の真実を知れば、それも解決できるだろう」 「そうね。私がハーフハーフから完全に蘇るためにも、ジオスにそのライセンスを速やかに取得して欲しい」 「ツグミ。協力してくれるか?」 「うん。わかった」
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