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「別にアンタに、おれの存在を許可してもらう謂れはない」
「不遜だな、そして傲岸だ。反逆者め」
「おれの生まれのこと言ってんの?」
厳密には違うけど。そもそも、こっちの世界の生まれでもないわけだし。
そんな星純の憂いも介さず、ギルバートは憎らしげに唇を結ぶ。大剣との拮抗を止め、斧を退け元のホルスターに納める間も、真一文字の口角が緩むことは無い。
「……これは警告だが、同時に予言だ。背中に気を付けろ」
「あん? 何の話?」
「私はこれで最後にする。だが、今まで貴様がどんな安穏な暮らしをしていようと、ここでそんな平和にありつけると思うなよ」
星純が怪訝に小首を傾げるが、ギルバートはまるで視線もくれずに立ち去る。言いたいことだけ言ってハイお仕舞いとは、我が儘なことだ。
「……なるほど、おれの設定上ああいう連中も少なからず居るってわけか」
「気を抜き過ぎですよセージュンくん。わたしが居なかったら真っ二つに成っているところです」
呆れる様子で大剣を仕舞うリリーも、大概不遜なことを言ってやがる。
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