第2章

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お昼時となった。馬鹿広い食堂、天井の圧倒した高さを気にも留めず、香ばしい匂いは空間全体に充満して。 「ねぇねぇニィやんねぇニィやん♪ ねぇねぇどんな気分どんな気分? 周りからすっごい色んな目で見られる感想は??」 「別に」 「え? サワジリ?」 「言ってねーよ」 流石に、これはカバー出来ない。星純はしかめた顔で、固い表情のまま器用にパンを食べている。 コンサートホール程もある床面積の、そのど真ん中で。スラムに馴染みあるもので例えると、浮浪者の溜まり場に成りがちな廃墟建築だったり、排水管理の地下施設跡とかになるのか。 いずれにしろ、無駄に広大な空間の無駄に長大なテーブルに、たかだか三人きりで座るのは寂しいものがある。しかも並んで。 その上、隣の桃色髪の少女と肉団子みたいな巨少年は、位置関係が上下でデフォルトになっているようだった。まんまるの巨体を下に、ちいさな少女が肩車をされている光景は、シュールを飛び越えてある種のホラーでしかない。
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