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「本心が隠れてねーんだよ! いや、隠す気がないのか!?」
「ちなみにこれ全部ジャッキーの言質なんで」
「絶対言ってないよね!? 確実に罪を擦り付けたよね手前の相棒に!?」
「……ボ、ボクがやりまし」
「言わせねーよ!」
あまり大声は出したくないのに、コイツらときたら。悪目立ちが先行してる、こっちの時勢も考えろ。
とはいえ、それも口に出せば厄介な状況に成りかねない。なので、星純は悪態を心のなかに押し留め。
「ところでニィやん」
「なんだ…………」
「わざわざ一人になったって、状況は改善しないよォ?」
しかし、ネルソンはずかずかと核心を突いてくる。いまの今まで、初めて遭遇した屋台の一件からずっと、このふざけた調子で接してきた少女が、まるで性質の違う笑みを星純に向ける。
それは少女らしい、あどけなさも残した視線。けれど、明確に過ぎる狂気を宿した、あまり真っ当でない眼光でもある。
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