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バイカー風の、というか完璧バイク乗りスタイルなライダースーツとジャケット、赤いスカーフに身を包み、女性が一人で空から降りてきた。
というより、落ちてきた。
『喧嘩はいけないよ! 青少年たちィ!』
と、言い分はまともなのに訳の分からない状態の彼女を、ハチは瞠目しながら見つめていた。龍二郎はもちろん、微笑みながら。
『いやいや、喧嘩じゃないよレディ。男同士の語らいさ』
『それを世間では喧嘩というんじゃないか! うら若い青少年達が! 人気のない廃墟でイチャイチャと! なんとけしからん!』
『イチャイチャはしてない!』
ハチが声を張り上げる。やおいには気を付けろとは、我が兄の弁である。
意味はミツに教えて貰ったけど。
『あ、間違えた! 羨ましいなチキショー!』
『羨ましいことではないよ!?』
『えぇ? そんな馬鹿な。じゃあこの僕のドキドキは一体……』
『してないよ! 発作だよたぶん!』
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