第1章

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もっとも、年端もいかないーー推定十幾つの少年にさえ勘繰られるようでは、気配を殺す仕事には向いていないだろうし。一部例外を除いては。 十三歳時点の前髪ちょんまげには、初見で看破された。なんとまあ、その初めから、煮ても焼いても喰えない輩か。 そういう意味では、こちらの少年少女ーー今は少年だけーーのほうがよっぽど可愛らしい。子供らしい、儘ならない部分も、まだまだ許容の範囲内だ。 「…………ねえ」 「はい?」 ハチが口を開いた。顔は、恐らくまだこちらを向いていない。 どうしたんだい、と。龍二郎もまた、振り返らずに返す。 「どうしてアンタは、オイラ達に構うんだよ」 「もちろん、君たちの為だけど?」 「嘘だ。兄ちゃんは『龍二郎は嫌いな友達』だって言ってた。なんか理由があるんだろ?」 「それを言って、君は信じる?」 「信じない。けど、参考にはなるし」 「なら、僕にメリットは無いね。お断り」 「ぬ……! コシャクな……!」 「それ昨日覚えた言葉?」 「う、うるせー! 良いだろ別に!!」 「まあでも、君の知りたいことなら幾らか知ってるよ。これでもハチくんよりは大人だし」 「た、例えば……?」 「そうだね、例えばーー彼と最後に何を話したか、とか?」
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