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少女は首肯する。悲痛さを滲ませ、ゆるりと傾げる素首の所作に、あの男の子とは違う心情を垣間見る。
「アナタ、えっと、ミニットちゃんだっけ?」
「ミツですにゃん」
「君はそのにーちゃんについて、ある程度ケジメを付けてると見て良いのかな?」
「…………たぶん、はっちゃんよりは。いえ、はっちゃんが一番つらい立場だから、そうなっちゃったというか」
「つらい立場?」
ヨルが食卓に身を乗り出す。向かい合う形のミツは、ヨルに目を合わせようとしない。
逡巡する顔付き、虚空をさ迷う視線は何かを探し当てようとしている。立派に、人間らしく、分相応な反応。
ヨルはそうした感情を捉えるのが得意だった。生得的に、と言っても良い。
だからヨルは、次に繰り出される言葉を素直に待つ。ミツはしばらく考えた後、ゆっくりと口を開いた。
「兄さんの最後の姿を見たのははっちゃんだったのですにゃん……最後の言葉を聞いたのも。そのうえ、今居る子供達の中で一番長く兄さんと一緒に居たのも、はっちゃんですにゃん」
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