第2章

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「は? 手伝う? 何を?」 「勿論、にーちゃん探しだよぉ☆」 悪戯っぽく微笑んで寄越す、ヨルのピースサイン。ハチは複雑そうに表情を歪める。 どうして。とも思ったけれど、答えなんて決まってる。いきなり優しく(?)なったり、元気がどうとか、まるでなんでも知っているんだと言わんばかり。 「ミツに聞いたの?」 「そりゃあもう!」 「何から何まで?」 「超ばっちり!!」 「だったら…………同情はいらない」 だから、もう消えてくれ。ハチはそう口に出すと、さっきと同じ様に地面へ座り込む。 その目は既に空を捉えてはいない。只じっと、体育座りで揃えた爪先の先端ばかりを見つめている。 「どうせアンタも同じだ。あの龍二郎と同じ、オイラに大人に成れって言いにきたんだろ」
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