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「生きてるって。大丈夫だって♪ それとも、やっぱり信じてない?」
「信じてるよ! 信じてるに決まってるだろ!」
「じゃあ一緒に探そうよ~~手伝うから♪」
「うるさいッ! ふざけるな!」
ハチはヨルを払いのけた。思いの外に力んだのか、気付けば身体は平衡を失っていた。
怒りの為か、危ないとも思わない。だからきっと、真後ろの壁に強か頭を打ったとしても、痛いとすら思わないだろう。
それを、ヨルが受け止めた。自分の半分ほどしかない体躯を優しく、しっかりと抱き留めて。
ふうわりと、柔らかい匂いがハチを包む。その有り様が、またハチをイラつかせた。
どうせ同情だ、どうせ憐れみだ。それが悪いと言わないけれど、よく知りもしない相手に、よく知りもしないあの人の事を語って欲しくない。
「アンタ……アンタなんかに……!」
「言い方は、ちょっと軽かったかな? でもね、私はウソが付けないんだ。きっと、キミと同じ様に」
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