第3章

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初日は、確かこうだった。 『てめぇを倒せば出世コースが開けるんだ……悪いが消えてくれや!』 学内の薄暗い、人目につかないであろう校舎の裏側。下校途中に━━と言っても、寮自体は敷地内にあるから正確には下校じゃないけど━━あからさまな絡みが発生。 顔貸せや、といった具合で連れ込まれるのは許したので、相手が長剣片手に飛び掛かる寸前で前蹴りかますのは別に反則じゃない筈。タイミング悪くヤクザキックみたいになったから、勇ましいおかっぱ同級生は一発KO。 二日目は、それなりに酷くなった。場所は人目も憚らない中庭の真ん中。 『お前がグラン家に目をつけられた新入生か。とりあえず素直にやられとけ』 見てくれ、上級生だろうか。左腕に付いてる腕章型のラインが一つ多い。 色も緑色で、こちらの左腕にある赤色とは違うことが伺える。そうそう、差違といえば、今度は初日と打って変わって四人ばかりで周りを囲んでいることも挙げられるか。
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