第3章

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なのでここでも先手必勝。調子に乗って駄弁っている隙に、不意打ちの初撃をかます。 驚いた様子の上級生らを━━自分より20センチばかり高い上背の嫉みも込めて━━ぶっ飛ばすべく、一撃でのした優男の胸ぐらを掴んで。 「━━投げ飛ばしたんですか?」 「いや、こん棒みたいに振り回した」 「……ワイルドですね」 そうして二日目をやり過ごすと、今度は更に数を集めて殴り込んで来た連中。三日も連続で、ご苦労な事だと思いながらも、食堂で食べたシチューの味はとても美味かった。 状況に左右されない匠の技に、ほとんど感謝すら覚えたものだ。 そしてそれを、またまた近場の不用意な獣人に叩き込む。皿ごと、食いさしスプーンも添えて。 『てめぇの行動は目に余るんだよ。グラン家に睨まれてるからって開き直るべアチィィィイ!!』 みたいな事を言っていた。レオンと違い、見えたのは尖った犬耳くらいなもので、あとの容姿は至って普通の人間っぽい感じ。
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