第3章

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話を逸らし切ることなんて、もちろん出来ない。一席を設けた張本人ならなおのことで、なによりメインテーマなのだし。 だからリリーは、怪訝そうにこちらを見ていた。星純は答える。 「一応、そのつもりだけど」 「意味が分かっていますか? 日常の些細な動作さえ、訓練としての魔法を敷くような場所で、魔法が使えないのですよ?」 「だから言ったろ。仕様がないっ、て」 じたばたしても、使えないものは使えない。才能がどうとか以前に、扱う権限がないのだから。 「…………多少なり、ショックを受けるかと思ったのですが」 「受けてるよ、そりゃあもう」 「ならばもう少し、がっかりした素振りくらい見せたらどうです? なんというか、こちらがガッカリです」 「なんでやねん」 「ガッカリのあまり屋台ごと吹き飛ばして思いっきり高いところからセージュンくんを落下させてみたいです……そうしたら少しはマシになる筈ですよ、頭の方は」
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