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「…………」
「ーーでもな、おれのオヤジは言うんだ。『目的を果たせず、失敗した努力でも、無駄であることは決してない』……ハハ、カッコいいだろ?」
要は、受け売りということ。しかして、こうした言葉の群れに救われた事は何度もあった。
産みの親の顔も知らない、命の価値など理解できない。そんなドブ底のクソッタレを、最初に拾い上げたあの人を、おれは忘れない。これは、その記憶の一部。
敢えて語りはしないけど。育ての養父について、教える機会はまだ要らない。
リリーはその様子に、呆れたような、諦めたような顔色を浮かべる。何を言っても無駄なのかなと、心のうちが透けて見えた。
━━そうして、また何時もの微笑が戻ってくる。おまけみたいに突くため息は、開き直りの合図か何かか。
「言うことも為すことも本当に意味不明ですね、貴方は。偉い偉い♪」
「……なんでアンタはここに来てイビり入ってんだよ」
「いやですね、これも努力の賜物、報われない努力ですよ」
「五秒でひとの台詞をパロってんじゃねーよ!」
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