第3章

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おれの罪が未だに理解できない、と。その様子に構わず、グレイの視線がリリーに移った。 「ハン! くされドグサレ野郎の言うことなんか聞いてやるか! 姉御が居なきゃ近付きもしねぇし!」 「でも……姉さん……さっき良い匂いだって……うまそうだって……」 「お黙りクレア!! と、とにかく姉御、こんなトコなんて1秒でも早く退散「おおっとぉ!? こんな街角でグレイちゃん発見!! はい確保確保~~(;´д`)」いやちょ、おまっ! ネルお前!!」 屋台の暖簾を潜って顔を出す青髪の知り合い。それを正面から襲いに掛かる桃髪の知り合い。一見するとこうだけど、意図するところは急襲ではなくジロリアン逃避なのは火を見るより明らか。 そんなネルの有り様に同情でもしているのか、クレアは絡まれた姉を横目に見たまま動かない。この間見た大弓も出さないで、事の成り行きを深紅の瞳が見つめている。 それもそれで薄情なのだけれど、扱いは妥当かも分からない。というか、それよりも、二人ともリリーと同じ制服姿なのが気にかかる。 「あいつらも知り合いだったんだ、てか学生かよ?」
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