第3章

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━━ああそうだ。理解と言えば。 「なあリリー」 「なんです?」 「この街には殺し屋でも居るのか?」 唐突にすぎる問い掛け。リリーと、それに連動してかクレアまで、揃って首を傾げる。 何故ですか、と言いたげ。実際、どうしてでしょうかと、口をへの字にして聞いてくる。 「そんな物騒なこと……でも確かに、おおっぴらには言えない仕事の互助組合は幾つかはありますけど……」 「いやさ、おれも良く分からないんだよ。理解できないというか」 「?」 さっき聞いた話だ、雇い主のパン屋さんから。星純はそう前置いて。 「煙みたいに人が消えてるんだと。結構な悪党からパシリのゴロツキまで、しかも頻繁に」 『ソドム』では━━『ソドム』の殺し屋では考えられないことだ。録な間隔も置かず、数をこなして消していくなど。 と、星純が言おうとして。
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