第3章

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しかも、ほら。テーブルの割れた関係で角度が狂ったから、上のものが。ネルの余ったジロリアンが。 「しかもグラン家に喧嘩まで吹っ掛けるとはな……マジで終わってやがる。けどそういうわけで、ちょっと人数も集めさせてもらったが、悪く思うなよ」 大層な口上をぶち上げるものだから、リリーもネルも双子姉妹も饒舌なワニ面センパイを眺めている。立ち位置の所為か、クレアが少し窮屈そうにリリーへ身を寄せた。 いや待て、口上なんかよりずっと大切なものが。ちょっと待て、もう少し重力と戦ってくれジロリアン。 「全部テメェの招いた結果だ。ジゴージトク、って〈ジパング〉では言うんだろ? だから大人しく選べや……!」 語気が強まる。ジロリアンが滑る。顔面も激しく怒りが見えた。星純はジロリアンの行方を注視する。 そして、ポン、と。 間抜けな様子でジロリアンがテーブルの端に到達し。 星純が堪らず身を乗り出し手を伸ばし。 ワニ面センパイはクレアの肩に手を置いて。 「俺の相棒の錆びになるか!? それとも魔法で滅茶苦「テメェなに姉の目の前で妹に痴漢してんだこの腐れ変態クソ愉快な水の生き物がアアアアア!!!!」ギァバッ!」 第一印象は、実に見事なフルスイングだった、ということ。第二に、そんな汚い言葉は使うべきじゃないなと、星純は思ってしまう。
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