第3章

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思考は明瞭だ。言動もはっきり理解できる。だから予め断っておくけど、これは混乱の末の台詞じゃない。 正直な、本当に正直な気持ちなんだ。分かってくれとは言わないけれど、察してくれるとありがたい。星純は一拍置いて、呼吸を整え。 「おれの心と身体をキズモノにした代償を支払いやがれこのゲス野郎どもぇあ!!」 「「「!?」」」 「主に金銭的にな!!」 「「「!!?」」」 なんら間違ったことは言っていない。店側からの預りものである屋台が壊されジロリアンが悲しく地面に転がっている。 まわりの奇異な目付きは、つまりご愛嬌の筈だ。まじほんと、なんだその目付きはとか言わせないで欲しい。 それにほら。味方も居るし。 「良く言ったそこのアンタ! 加勢するぜい!!! このセクハラ集団はまじフルボッコだ!!!」 「「「はぁあ!?!?」」」 「おうおう。分かってきたじゃねーかグレイ。そら勿論だとも、な?」 「……………あとでアンタもシバく」 「おれ何もやってないよね!? 名前呼んだだけだよね!?」 交渉か没交渉か。それらの明確な定義はとりあえずさておき。 ひとまずの、腹積もりを決めた群衆が飛びかかかる。各々それぞれの得物を持って、一気呵成に。 けれどそれでも、負ける気がしないものだ。実際に、この数分後にはここの往来、兵共が夢のあとなのだし。
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