第3章

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「ほらほら! もっとキビキビ飛びやがれトカゲ面! まだもってんだろうがよ銭をよぉアァン!? 隠してるとまたシバキ回すぞゴラァ!!」 「く……! クソだらぁテメェ!! 後で覚えとけよこの野郎!!」 とかなんとか言いながら、素直にジャンプを繰り返すワニ面先輩。後輩にたかられ(カツアゲ)る様はひどく侮辱的なシーンだけれど、それも仕方がない。 敗者には相応の罰が必要なのである。自分から仕掛けた手前、この辺りの不文律は飲み込んでもらいたい。 そう思いながら、星純は屋台の補修に取りかかる。周囲は死に体のチンピラで死屍累々、真横には巨躯のワニ顔先輩が身長比較三分の一程度の少女に小銭ジャンプさせられてる図。 はっきり言って同情しか湧かないし、年長として止めさせるべきなのだろうけど、こちらもノされたチンピラから多少巻き上げてるので大きな顔が出来ない。自分だけやらかしときながら、他人にはやるなというのも理不尽な話だ。 「でも女の子ってのに問題がある気が……」
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